2013年12月15日日曜日

かぐや姫の物語 2013年/日本映画/137分 (29本目)


高幡勲の新作「かぐや姫の物語」を観てきました。


きっかけは5分間位あった予告編がよくできていて
期待させるものだったので観てきたんですけど

率直に言って、あの予告編を超えるものではなかったです。



というより、「日本昔話」を無理やり2時間に引き伸ばしただけの映画です。


今更知ってる内容をダラダラ2時間かけてやられても。

もともと内容もないから引き伸ばしに必死です。

特に5人の男の求婚のシーンだとか非常にだるかった。

え、これ5人もやんの?って。



それから「かぐや姫の犯した罪と罰」ってキャッチフレーズなんですけど
特に何もなかったです。


実はこの「罪と罰」って地球に憧れて地球で暮らしたいと思ったことが罪らしいんですけど

全然納得できないですね。



もう予想通りすぎて肩透かし感が半端じゃない。



なんかこう、ジブリが竹取物語をやるんだから内容もアレンジきかせてくれるのかと
思った出すけど大きく裏切られました。



みんなが言う絵なんですけど
確かにあのラフ画の感じは嫌いではないです。


時代物ということであのパターンは合ってた様に思えます。

音楽もよかったかな。


ラストの月の使者が迎えにくるシーンでの音楽はちょっと笑ってしまいました。

なんでこいつらちょっといいメロディー奏でてんだよと。



それくらいですかね。
わざわざこれを映画館で1800円出してみる映画ではないです。

内容をもうちょっと見直した方がよかったんじゃないですか?



面白かった?って言われると
僕ははっきり「面白くはなかった。」と言いますね。


高幡勲といえば「耳をすませば」はホントに傑作と言っていい程。
「ホタルの墓」も好きです。


けれどジブリは正直、僕の中ではここ何年も琴線にふれる映画は作ってない様に思えます。


3点(10点満点)

2013年12月5日木曜日

イントゥ・ザ・ワイルド 2007年/アメリカ映画/148分 (28本目)





ショーンペンって映画撮ってたんですね。知らなかった。

しかもこれ実話だったんですね。


何も情報がないまま観たのがよかったかもしれません。
ラストが結構びっくりしました。


この映画は深夜にゆっくり浸りながら観る映画ですね。


裕福で勉強もでき、将来有望な22歳の青年が全てを捨てて独りアラスカを目指すロードムービーです。

テンポよく、すごく淡々としてます。
カメラワークとか音楽とかとにかくおしゃれです。


自分とは何か?
自己を見つめながら、出会った人との何気ない会話も心にします。


泣かせようとしていない潔さみたいなのが感じられてそこもよかったかも。


一人の冒険を美化しすぎず、
ちゃんと自然の猛威も描いでいます。







けど僕は共感はできなかったですけど。


どう考えても僕は都会のネオンが好きなので共感できないのも無理はないけど、

けどね、実話ということで、
家族が一番可愛そうです。



結局、2週間後に遺体がみつかったということなんですが
思えば勝手に出て行って好き勝手やって心配させたあげく遺体で発見されるなんて
とんでもない親不孝ですよ。

美化しすぎるのもどうかな。


最後は心の中で和解できたって設定ですけど
親は和解できたなんて思ってないですからね。


一方からみれば恐ろしく自分勝手な主人公です。



まぁ、それを言ってしまえば元もこうないんですけど。



全体の雰囲気としては好きです。


ただ、ちょっと時間が長いですね。

150分弱あるんですけど同じようなシーンが続いたりするんでダレてきます。




それくらいですね。

日本の俳優が撮る映画と比べれば
いい出来なんじゃないでしょうか。



7点(10点満点)

スペック 結(クローズ) 漸ノ篇 / 爻ノ篇 2013年/日本映画(26、27本目)

スペックの完結編である結(クローズ)。


もともと「ケイゾク」が大好きで映画も意味わからなかったけど
世界観はよかった。


ただ、堤幸彦監督は映画を作る力がまるでない監督。

「20世紀少年」もひどかったですし、いろいろ過去に黒歴史のある監督です。


こと今回もそれが例外なく悪いところが出ていました。



そもそも何故2部作に分けたのか理解に苦しむ。


正直長くても一本にしたほうがよかったと思います。

完全に金儲けの魂胆がやらしいです。


大した内容もないくせに無理矢理2部作にした為、尺が足りなく
蛇足なシーンが非常に多かった。

特にひどかったのが前編の「漸ノ篇」。

もうこれは1,800円返してほしいくらいです。


まずギャグがことごとくスベっている。
映画館で誰も笑っていなかったです。

正直、その場にいるのが気まずいとさえ思いました。


ギョウザロボって何なんですか?

あれを面白いと思って作ってるなら堤監督は相当ヤバイです。


ドラマでは肩の力が抜けていていい具合にハマっていただけなんですね。

映画となるど無駄なしょうもない笑いがやけに多くてめざわりだった。


蛇足なシーンといえば
野々村係長の回想シーンは異常に長くだるかったし
ちょいちょい出てくる白い男と女のシーンは特にいらない。


自分が編集したものを観かえすという作業をしないんですかね?

テンポのいい作風なのになぜあんなダルイ編集になるんでしょうか。


正直、前編だけだと今年度最低の作品でした。


その点、後編の「爻ノ篇」は少しだけ盛り返してます。


最初から結構テンポ良く、
話も急展開です。


ただ、ほとんどバトルシーンっていう・・・


TVドラマ時代の知的バトルが好きだったのにもうハリーポッターの世界になってます。
もうドラマ時代とは別物です。


話もエヴァ並の大風呂敷広げるだけ広げて回収できないパターンです。


それでもCGはいまの日本の映画にしては頑張ってたほうですけどね。


今までのスペックホルダーも最後の映画だから出した感がすごく
安田けんとか全くいらなかったような・・・



複線も回収しないまま滅茶苦茶になって終わりです。
ただ、ラストの終わり方は好きです。

余韻が残る終わり方で、「ケイゾク」ファンにはちょっとしたサプライズがあります。



トータルするとやっぱり映画化はやめておいたほうがよかった。
ドラマで終わってたら素晴らしいドラマで終わってたのに。



今後も堤監督には期待しないです。
というか、もうこの監督の映画は観ません。


漸ノ篇  1点(10点満点)
爻ノ篇  3点(10点満点)

2013年10月9日水曜日

Polaris 『色彩』 / 2013年 (5枚目)



Polarisはよく大学時代に散々聴きました。


ダブ・ポップなんてジャンルらしいですけど僕としては酒に合うリフレインな曲が好きなんで。


とにかくPolarisは酔っ払いながら聴くのがおすすめですね。


テクノなんかが要素にあるんですけど4つ打ちでもない。


テンポの遅いテクノの様な感じといったほうがいいですか。




今回のミニアルバムはというと


1曲目の「流体」は音の少ないメインのギターフレーズを繰り返しながら微妙にマイナーチェンジをしていく曲の作り方は昔からホントに変わっていないですね。



前作の「光る音」もそうでしたし何か安定感と安心感ありますね。


1回聴いただけでこれまた酔っ払った秋の夜空とかに聴いたら気持ちいだろうなと思いましたね。



2曲目の「とける」も酒に合う小気味良いリズム。
こうゆう裏打ちのリズムもPolarisの特徴だったなと。


3曲目はちょっと今までにはなかったタイプのテンポですね。
ドラムが印象的です。
ちょっとRadioheadの最近の曲にありそうだな。



ミニアルバム後半の4~6曲目はアコギメインだったりゆったりまったりな曲でまとめられています。


個人的には前半の3曲がおすすめかな。



ちゃんとしたアルバムを期待していたけどミニアルバムだと曲が少ないのが不満ですね。

次のアルバムには「光る音」や「流体」なんかが入ってくるんでしょう。




正直Polarisに関しては捨てアルバムってないと思います。


これってすごいですよね。


まぁ、僕が個人的に好きなのもあるんですが、
どのアルバムも聴くとあぁ、Polarisだってなるのがすごい。



これからも無理せずゆるいペースで定期的に出してほしいものです。




6点(10点満点)

式日 2000年/日本映画/128分(25本目)



この映画はかなり異色である。

なにが?って


まず映画監督の岩井俊二が俳優として主演している。
そして原作者の藤谷文子も自らが主演している。
監督はアニメーション『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明が実写映画化。
さらにスタジオジブリのセカンドブランド「スタジオカジノ」から製作。


これだけでも異色だらけだと思いますが内容も予想以上でした。



家族問題により現実逃避してしまった女の孤独で病的な精神世界から再生までを描いてるんですけど、まぁ観る人を選ぶでしょうね。


若干エヴァの要素も入ってます。



最初、この女の変わったメイクや衣装に戸惑います。

演技も正直下手ですし。


調べてわかったんですけどこの女優はあのスティーヴン・セガールの娘らしいです。

これも結構衝撃でした。



岩井俊二も監督としては一流だけど俳優しては・・・
てか棒読み。


大丈夫か?と思いながら観ていくと次第にこの世界にどっぷりはまってしまっている自分がいる。

奇抜な映像と精神世界の映画って見せ方が非常に難しいと思うんです。

一歩間違えれば退屈な映画になりますからね。



この映画では女の感情が毎日違うんです。


それをメイクや衣装でも表現しているとこが新しいかな。


再生までの1ヶ月のカウントダウン方式で話が進むんで
淡々としてるけど終わりがわかるから観てしまう。


この映画の疑問点はあります。


舞台は山口の工場地帯の廃屋なんですけど
あんなとこ住めるんですか?
なんであんなに衣装もってるのか?


まぁ、その辺言い出すとこのての映画はきりがないので言いませんが。


二人の演技が下手なのも後半から気にならなくなってきました。



それだけ作品に力があるんだと思います。


最後のシーンは好きです。

絶妙なタイミングでCoocoの曲が流れるんですけど救われたラストが妙に心地よかった。



映画を観て考えることをしない人には受け入れられない映画でしょうね。



7点(10点満点)


2013年10月1日火曜日

undo 1994年/日本映画/47分(24本目)



岩井俊二の1994年の作品。



若い頃の豊川悦司と山口智子が競演で、劇中はほとんどこの二人しか出てこないです。


脅迫的に縛ることに執着してしまう精神病の妻に翻弄される夫の話です。


まるで谷崎潤一郎の小説の世界を岩井俊二テイストにした様な映画です。


この「縛る」という行為の本当の意図がわからないとこの映画はただの変態的な意味のわからない映画になってしまうでしょう。


二人の愛の度合いと方向性がお互い一緒に住みながらも距離があるんです。


それはキスしたあとのアイスクリームを食べるシーンや
犬がほしかったのに亀をプレゼントされたり
仕事ばかりで日曜にデートもできない。



まぁそんなことで頭がおかしくなられたらたまったもんじゃないですけどね。




この微妙なすれ違い(?)から妻の様子が少しおかしくなりはじめる。


山口智子の演技がナチュラルに狂っていくので非常にリアルでゾッとするものがありました。




あとこの映画の尺(47分)もよかったです。



こんな内容で2時間やられたらさすがにキツイですよ。



一般受けはしないでしょうね。

この映画がヒットしてしまったら、「踊る大走査線」や「海猿」はあんなに客が入らなかったでしょうし
映画を観て考える事をしなくなった日本人には受け入れがたい映画なのは間違いないです。



5点(10点満点)


フライト 2012年/アメリカ映画/138分(23本目)


ロバートゼメキス監督とデンゼルワシントン主演なら大体大きな失敗はないだろうなと鑑賞。

良くも悪くも予想通りでした。



飛行中のトラブルから大勢の命を救い、英雄となるはずだった飛行士にあらぬ疑いがかけられる話なんですけど
予告を見る限り、無罪なんだけど罪をきせられるみたいな作りだったんですけど結果コイツめちゃくちゃ有罪じゃないですか。


クライムサスペンスみたいなキャッチフレーズもこの映画の趣旨と合ってないですね。


だってこれただのアル中の話じゃないですか。

宣伝する人たちはこの映画をちゃんと観たんですかね。
監督は意図と違うけどお客さんが観にきてくれたらいいや的な感じでしょうか。


だから思ってたのと違うって人結構いるみたいですね。
でもこの映画自体は悪くないですよ。


デンゼルワシントンは演技がうまいですね。


どうしようもないアル中で飲むと気性が荒くなり危ない奴になるんです。


事故のあった飛行中も酒を大量に飲んでてそれが問題となるんです。

結果大事故を間逃れるんで結果酒を飲んでてよかったんですけどw



でもコイツは全然酒をやめられない。
ホントにどうしょうもない奴だしダラダラ続くんですけど何故か観てしまう。



見所はラストです。

映画の核となる部分なんで詳しくは書かないですけど、
ホントにあのデンゼルワシントンの演技の間にドキドキさせられました。


映画観ていて久々の感覚だったかな。


展開も地味ながらも演技でみせてくれた感じです。



ただし終始、酒の話だったんで「フライト」ってタイトルは変えたほうがいいですね。



7点(10点満点)


2013年9月20日金曜日

テッド 2012年/アメリカ映画/106分(22本目)



自信を持って言います。
間違いなく今年観た映画でぶっちぎりのワースト映画でした。


よくもまぁこんな糞みたいな映画がヒットしましたね。


まず、この映画のポイントなんですが、
「可愛い外見のクマのぬいぐるみの中身が、実は下品なおっさんだったら」
という発想からきてるんですけど、

正直それのみです。
それ以外この映画には何もないです。


下品なおっさんって言ってもただひたすら笑えない下ネタを連発するだけです。
この下ネタももっと笑えれば救い様があるんですけどね。


コメディ映画って言ってますけどこれはコメディ映画って言っちゃいけないですよ。
下ネタのみで、笑える所が一つもないですからね。

他のコメディ映画なら、もっとマシなもの作りますよ。
下ネタなんて子供なら誰でも笑いますし。
それ一本ってことは他に笑わせる能力がないって認めてる様なものです。


この監督は絶対つまんない奴ですよ。
そもそも面白い発想が下ネタ位しかないんじゃないですかね。

頭の悪い子供が作った映画です。


あとあのサイコな親子がなぜあそこまでテッドに執着するのかもわからないです。
話は「トイストーリー2」と被ってますし、蛇足な感じがしました。
ここらで最後一発盛り上げるとこが必要だろみたいな。

まぁこの手の映画はあらを言い出すときりがないですね。


主演のマーク・ウォールバーグはマッチョ感が妙に違和感ありました。
いや、別にいいんですけどこの映画にあのマッチョ感は合わないと思うんです。


それにヒロインのミラ・クニスは「ブラックスワン」の時から思ってたんですけど化粧が濃いですよね。こないだスッピン公開されてましたけど別人でした。
彼女はヒロインにしてはアクが強すぎると思うんです。
悪役がお似合いかな。


あと「フラッシュ・ゴードン」のくだりはホントにうっとおしかった。
あれは元ネタがわからないと楽しめないし、
そういったものをあんだけ尺を使うっていうのはあまりに観客を置いてけぼりにしてること気づいてないんですかね。

マニアの心をくすぐるよーって監督の自己マンでしょ。


そもそもこの映画のターゲットってどこなんでしょうかね?


この下品な下ネタ映画は子供向けではないですよね。
見た目にだまされて子供と一緒に観てしまった親御さんは悲惨でしょうね。


てことは大人向けなんでしょうか?
それにしては作りが雑すぎて幼稚な内容です。


いずれにせよ、こんな救い様がないしょうもない映画は
映倫がもっと厳しく取り締まって日本に輸入しないでもらいたいものです。


0点(10点満点)

2013年9月13日金曜日

キル・ビル Vol.1 2003年/アメリカ映画/111分(21本目)



映画としてはどうなのかわからないですけど
B級映画としては面白い映画でした。


タランティーノは大の日本好きらしいですけど
それが映画に出てますね。

もう、観て「ニホンジン、ダイスキネ!!」がビンビン伝わってくる。


この映画に関して突っ込みどころは挙げたらきりがないですね。
確信犯でやってるんでしょうけど。

何で日本刀をわざわざ沖縄で作るのか
何で沖縄で寿司屋なのか
何で飛行機に日本刀が持ち込めるのか(これはギャグでしょう)
何で基本的に戦いがカンフーなのか


まぁ最初は突っ込んでたんですけど途中から諦めました。

この映画はそうゆうスタンスの映画なんだと。


アニメのシーンも意外とよかったな。
ただ、オーレンイシイは日本人がやるべきですよ。


場所は日本だけど対決がただの外人同士じゃないですか。
日本人が中国人(日系だっけ?)に牛耳られてるのも何か釈然としないです。

あとは片言の日本語は笑わずにはいられないですね。
「イクヨ」とか「イイヨ」とか監督は笑わせようとしてやってるんですかね。


話としては仇討という非常に単純明快な構造で
そこにアニメやらカンフーやらめちゃくちゃくに詰め込んだ
映画なので多国籍映画といった感じです。


ただし腕がもげたりグロイシーンが多いので受け付けない人はダメかも。


基本、戦いばっかなんで内容はないですけど。
頭からっぽにして観るにはいいんじゃないでしょうか。

久しぶりに「レザボアドッグス」や「パルプフィクション」も観たくなりました。



6点(10点満点)

2013年9月10日火曜日

東野圭吾 『真夏の方程式』 (6冊目)



東野圭吾といえば『白夜行』と『幻夜』がよかったですね。


上記の2作品がよかっただけに他の作品の印象が薄いです。
勝手にハードルを上げられておいて
それを超えられなかったからといって、そこまで面白くないというレッテルを貼られる非常に損な作家ですよね。

それでも単品で読めば他の作家に比べれば十分面白いですよ。


東野圭吾はどの作品も似てるし量産型の作家なので
そこそこハズレはないしある程度は面白いです。
ある程度は。


出版社も安泰ですね。
本が不況な時代に東野圭吾が本を出せばかなりの数が売れるわけですからリスクが非常に少ないですよね。

けど皮肉なことに読者は『白夜行』とか『幻夜』を求めてる。

そして最近の東野圭吾には本気度が伝わってこない。


以下ネタバレです。


ホントにこんなラストでいいんですかね?



ある殺人での犯行なんですが、小学生も犯罪を手伝わされてしまうんです。
本人はその時は自覚がないんですが結果、人が死んでしまう。
小学生はずっとこの先、罪の意識に苛まれながら生きていくことになる。

最後に主人公の湯川が、「これから一緒に考えよう」といったけど
考えるもくそも被害者ですよ、この少年は。

自分は指示されてその行動の意味すら分かっていない。
結果、人が死んでるんですがこの「考えよう」ってセリフはちょっと違和感を感じました。

だったら、「君がやった事と人が死んだ事は関係がない」とか嘘を言ってやったほうが
まだ救いがあるんでは?


正直、後味はよくないです。



映画化もされたみたいで、主人公の湯川は福山雅治だそうですね。

宣伝のせいで、イメージが完全に福山ですよ。


もっと自分なりのイメージで人物を想像したかったのに、
先に映画化とかキャストを大々的に宣伝されるのって作家としてどうなんでしょうかね。

少なくとも読者としては俳優のイメージが強くて、
クリーンに作品に入れないですよ。


まぁ、なんだかんだ言いながら最後まで読めたし
最後はすっきりしないですけどそれなに楽しめました。
東野圭吾は良くも悪くもこの路線でずっとこれからもいくんでしょうね。


3点(10点満点)

2013年9月5日木曜日

ヒミズ 2011年/日本映画/129分(20本目)




「稲中卓球部」の古谷実の原作の映画化です。


この映画はなかなか見応えある映画でした。



主演の染谷将太と二階堂ふみは演技がうまいなと思いました。
ちゃんと役になりきっている。


要するに15歳というまだ精神的に安定していない思春期の主人公が
家庭内での環境だとかが影響して思わぬ事件を起こすんです。


まぁ、内容はよくありがちですね。
思春期の15歳とかそのへんって題材としてはドラマになりやすいんでしょう。
「リリィシュシュのすべて」とか「桐嶋、部活辞めるってよ」とか。


漫画を映画化したんだろうなって感じがします。
設定が現実的ではないですから。
例えば元社長のおっさんが、「住田さん」って「さん」付けですから。


まぁそこはこの映画の世界観が確立されているので特に気にならなかったです。

映画ってどれだけ設定に無理があっても
それを納得させる力技みたいなものがあれば
観客に突っ込ませないんですよね。

それが前回の「アルマゲドン」では監督の力量不足が如実に出てました。



でもちょっとこの映画、長いかな。
ぶっとんだ設定とキャラも最後の方では麻痺してますから特に刺激は感じず。


監督は急きょ、東日本大震災後の設定に変えたらしいですけど
震災を通しての虚無感とこの原作の排他的なものにシンクロさせようとしたんでしょう。
すごく挑戦的だけど評価します。


僕は映画化する際に必ずしも原作通りに作る必要はないと思うんです。
というか原作通りに作ることはそれぞれの読者の中のイメージがあるのでそれは不可能です。


それなら原作と少し変えて、アレンジすることによってよりいい方向に向けばいいと思うんですね。


だから原作と違うとか批判してる人いますけど、違うにきまってるじゃなないですか。

人が作るものなんだから主観が入って当然だし
逆にどれだけ原作の世界を理解してるんですか?と言いたくなる。


話を映画に戻すと、
この映画では思春期ゆえの狂気がうまく描かれている。

主演も窪塚や吉高由里子、でんでんとか豪華です。

この映画の世界観が合うか合わないかがで好き嫌いがはっきり分かれることになると思います。


7点(10点満点)


アルマゲドン 1998年/アメリカ映画/150分(19本目)



何でいまさら?と言われるかもしれませんが
TSUTAYAでふと見かけて懐かしくて思わず借りてしまいました。


もう15年も前の映画なんですね。


当時、自分はまだ中学生でこの映画に号泣した覚えがあります。



で、15年ぶりの再鑑賞。

まぁ、よくもこんなひどい映画で泣いたもんだ・・・



はっきり言ってこの映画、かなり幼稚な作りです。


小惑星の表面を掘削し、その中に爆弾を設置して爆破し
地球に衝突するのを回避しようとする話ですが、


人類が滅亡しようとしている時にNASAは
17か月間訓練した宇宙飛行士でなく、
2週間しか訓練してない、しかも掘削員を宇宙に行かせないですよ。
(中には犯罪歴もあって宇宙に行く寸前にも暴力事件で警察に捕まっている者もいる)


いくらそれしか方法がないとなってもちょっと現実的に考えてありえない。


まぁ、それを言ったらこの映画は元も子もないんですけど設定自体に無理がある。

だからもう冒頭の部分で全く入っていけなかった。



あとアメリカ人至上主義が非常に鼻につきました。

一人ロシア人もいましたけど結局アメリカ人が人類を救ったっていう映画でしょ。

「アメリカ人はすごい!」って自分たちで勝手に盛り上がってて
かなり心が離れました。

日本人の描写は松田聖子がニューヨークで逃げ惑うだけでしたから。



ブルースウィリスとベンアフレックの子弟ドラマはいま観ると
非常に安っぽいドラマだなって印象。


ブルースウィリスは冒頭でベンアフレックに拳銃ぶっ放してたくせに
ラストで「ホントはお前の事、息子の様に思ってた」って変わりすぎでしょ。

ちょっとこの変わりようは人格ヤバい奴ですよ。

しかも子弟ドラマのパターンはもう使い古されている。

余談ですが、「ワンピース」のサンジと片足のゼフもこれと同じパターンですね。

あとテンポが良すぎて1シーン1シーンが非常に安っぽいんです。

息子に「実はあの人はセールスマンじゃなくてあなたのお父さんなの」っていう
親子のシーンも後付感があり安っぽい。


アクションは迫力はありますし、一生懸命見せ場を作ろうと色んな危機を
盛り込んでいるので飽きずに観れますけど
なんせカメラの手振れが半端ない。

臨場感を出すための演出なんでしょうけど
酔いそうになります。

後半は小惑星のシーンばっかりで単調になるのを避けたかったんでしょうけど。


で、ラストの横になって歩いてるシーンなんかはちょっと臭くて笑ってしまいました。

どう?最大の見せ場だよ?感。


この映画はもっとテレビドラマなんかにして
時間をかけて一人ひとりのドラマをしっかり描いた方がいい様な気がします。

150分にまとめるとどうしても一つ一つが中途半端なままになってしまうんで。


監督もいまになって後半はやり直したいって言ってるみたいですから
この出来に満足してないようです。

まぁ何も考えずにポップコーン食いながら休日に観る映画としてはいいんじゃないですかね。


2点(10点満点)


ドライブ 2011年/アメリカ映画/100分(18本目)




スタイリッシュな犯罪映画として周りがやたらプッシュしてくるので鑑賞しました。


これがなかなかいい出来でした。


内容は結構ありきたりです。

好きになった人妻の夫の借金トラブルに首を突っ込んだことから
事件に巻き込まれるという話。

 
音楽の使い方、映像の見せ方が非常にうまいので
ありきたりな話だけど見入ってしまいます。


オープニングの車から見える街の風景は「ロストイントランスレーション」を彷彿させる画でした。

音楽もどことなくマイブラっぽいし、なんか意識してるんですかね。

いずれにしてもハリウッド映画っぽくないです。

あとサントラはかっこいいです。
抑えた感じで。


主人公は北野武映画に出てくる様な無口な男です。

 
やたら無口な上に無表情なので
正直何考えてるかよくわかりません。

けど途中からこいつはこうゆう奴なんだなと悟るわけです。
感情をあまり出さない静寂の中の感情を持っているというのが
こいつの持ち味なのかなと。


正直、この映画に関しては不思議とあまりいう事がないですね。
めちゃくちゃひどい映画ならまだいい様があるんですけど
この映画がそんなに悪い事が見当たらない・・・
 
 
といってもめちゃくちゃ絶賛!というわけでもないんですけど。
 
だからタチが悪い映画です。
 
 
7点(10点満点)
 
 

2013年9月3日火曜日

ルーパー 2012年/アメリカ映画/118分(17本目)



最近ブルースウィリスはやたらめったら映画に出まくっていますね。

小遣い稼ぎなんでしょうか?

で、タイムトラベルものということで気になったので鑑賞しました。




感想としては、いい素材だけど調理方法を間違えた
って感じですね。

やっぱりブルースウィリスが拳銃持つとどうしても「ダイハード」になっちゃうんですよね。
これって本人も言われるの嫌なんだろうけど。
ブルースウィリスって演技も全部一緒だし
どの作品も結局同じキャラになってる。


日本でいうと木村拓哉みたいですよ。

金太郎飴みたいでどれも同じ役柄。
量産型って感じですね。
だからどれ観てもある程度は観れるけど結局「ダイハード」と一緒じゃねぇかって事になる。



映画について言うと結構話がわかりづらい。


未来ではタイムトラベルが可能になったが、法律で禁止されてる。

未来では殺人を犯すとばれてしまう為、犯罪者は30年前に殺したい奴を送りこんで
当時の殺し屋に殺させるという方法をとっていた。
(なぜ30年前なのかは説明なし)

主人公は殺し屋なんだけどそこへ送られてきたのが30年後の自分。
で、ターゲットは逃げてしまう。

未来の自分を殺さなければ自分の命が危ない殺し屋と、
妻の復讐が目的の未来の自分とのSFアクションって感じ。



これだけでも結構複雑な話なのにここにさらに
主人公のラブストーリーも入ってきて
さらにヒロインの息子の超能力も入れてくる始末。


監督はよっぽど自信がないんでしょうか?
色々詰め込みすぎですね。


あらゆるものを取り込んだエンターテイメント作品にしようとしてますけど
それにしてはテンポがよすぎて観客はついてこれないですよ。

このテンポについてこれない人は観なくていいって感じですか?
それは監督のエゴです。
きちんと説明しないのはただの仕事放棄。
または、完成されてないものを出すなよって感じです。


もっと色々削って自分VS自分ってわかりやす構図の方が
もっと人物描写を深く描けてストーリーに厚みが出たのでは?


あと、ジョセフゴードンの30年後がブルースウィリスって設定なんですけど
無理があります。

似てないんです。
だから30年後と言われても、ジョセフゴードンはジョセフゴードンだし
ブルースウィリスは・・・もっと言えば「ダイハード」のジョンマクレーンだし。

これはキャスティングミスでしょ。

だったら「バックトゥザフューチャー」みたいに全部本人が演じればよかったんじゃないですか?


何だかんだボロクソ言ってますけど
未来の自分がターゲットって言う設定自体は面白いと思うんです。


いい材料はそろってるのに
ちょっと調理方法を間違えた・・・そんな感じの映画ですね。


4点(10点満点)


2013年8月26日月曜日

殺し屋1 2001年/日本映画/128分(16本目)



この漫画は大好きで、高校生の頃よく授業中に読んでた思い出がある。

当時その神がかり的な変態的内容にかなり衝撃を受けた記憶がある(授業中に)。

けれども「一番好きな漫画ってなに?」って質問で
「殺し屋1」って答えたら正直、人間性疑われますよ。
そんくらいヤバい内容。


そして三池崇史監督が映画化。


まぁ良くも悪くも三池作品ですよ。
もともとこの監督あんま好きじゃないですね。
仕事を選ばなく、効率主義の様です。
だから原作が好きでどうしても映画化したいって感じではないんじゃないですね。

今回の「殺し屋1」に関しても同じ事が言えます。


全体的になんか軽いです。
薄っぺらいというか。

期待はしてなかったけど、全く別のモノですね。
まず柿原が金髪な時点でもうすでに違う。
柿原=浅野忠信が映画のジャケットなんですけど、もうこの時点で
原作とは全く違うものでっせー感、開き直り具合が目につきます。


肝心の内容ですが
映画としては完全にB級です。

ただしそこまでひどいってわけでもないんです。


主人公の大森さんは意外にも結構ハマってたし
エグイ拷問シーンの数々は所々CG使ったりして頑張って再現しようとしてましたね。
オープニングの精液もリアルでした。
と思ったら、本物だったんですね(副音声で監督が言ってましたけど)。


キャストのイメージは正直全然違いますね。
あの鉄砲玉は老けすぎてるし、
キャバ嬢がなぜ中国人なのかだとか、
あの怪力兄弟は松尾スズキのイメージでは絶対にないですし
色々ギャップはありました。

ラストはちょっと笑ってしまいました。
ブラックコメディ調のあの感じは嫌いではないです。


全体的にちょっとオシャレにしすぎ感はありますけど
ただこれを映画化しようとした勇気は買います。
映倫の問題が相当あるでしょうね。
やっぱり10冊を2時間にまとめるって大変ですよね。

どのシーンを省いて、どのシーンを残すかはセンスですね。
今回の映画はそれが比較的よくまとまっていて2時間飽きずに観れました。


そでだけでも評価すべき点かな。


4点(10点満点)

2013年8月22日木曜日

諫山 創 『進撃の巨人』 (5冊目)


まぁ、十分話題になってるから今更自分がレビューしなくてもいいか思ったけど一応ネ。


「めちゃくちゃ面白い!」って友達にゴリ押しされて重い腰を上げて読んだけど
結果としてまぁ、そこまで絶賛する程でもないけど・・・

うん、面白いかな。


100年間高い壁で囲まれた街があって、平和に暮らしてたけど
その壁が突然巨人によって壊され、理不尽に人間が次々に食われいく。
目の前で母親を巨人に食われた主人公が巨人を駆逐する為、
兵隊に入る所からこの話は始まる。



作者はこの作品でデビューしたド新人。
しかも残念なことに画がめちゃくちゃ下手くそ。
1巻なんて高校生の漫画好きが授業中に落書きしてみましたという感じの画。

構図もおかしいし、まだまだ発展途上かな。


けどもそれを払しょくするかの様に
話のもっていきかたは非常にうまいな思う。


複線がたくさんあるけど、複線を敷きっぱなしではなく
ちゃんと回収しつつも、また新たな複線を敷く。
見せ方がうまいです。
アメリカのテレビドラマみたいです。
ただこれ全部ちゃんと回収できるのかな。


さっきは画が下手とは言ったけど巻が進むごとに上達していきます。
特に巨人VS巨人のバトルシーンは迫力あると思いましたね。
画が下手だけど読んでいくうちにさほど気にならなくなります。


あと巨人に対しての人間の恐怖心は非常にリアルかな。
ふつう、こういった漫画では勇敢な戦士は殺されるまで戦士でかっこよく死ぬパターンがありがちだけど
この漫画ではどんなにカッコいい奴でも最後は命乞いをして恐怖にまみれて死んでいく。

「死」の恐怖をとことん描いてるところなんかは従来の漫画とは違うかな。


そしてびっくりしたのが10巻です。
突然物語に大きな転換期が訪れるんです。最初は何言ってるんだろ?と思うんですけど
ちゃんと読んでみると、おいおい・・・ってな感じ。
で、ラストにはマジですか!って。
興奮しながら最新刊の11巻を読んだけど話が進んでねぇ・・・


で、また4カ月後ですか。


まだ完結してないし、何かとアニメ化だとか実写化だとか騒がれてますが
どうなんでしょうかね?
お隣の韓国でも大人気だそうです。


ここまできたら逃げずにちゃんと物語を完結させてほしいものです。
お願いだから「GANZ」の様に残念なラストにだけはしないで頂きたい。


正直、何とも言えないところもあるので
最新刊の11巻までの評価ということで。

7点(10点満点)

ジェーソン・ムラーズ 『Love Is a Four Letter Word 』 / 2012年 (4枚目)


ジェーソン・ムラーズはいつだったかのFUJI ROCKで観てからその魅力に気づいてしまった。

彼の歌声はホントに優しく耳に入ってくる。


で、この人の魅力はライブに尽きる!

演奏がホントにうまいし原曲をアレンジし、
oasis の「Wonderwall」をぶっこんできた「The Remedy (I Won't Worry)」だとか、
BoB Marley の「Three Little Birds」をぶっこんだ「I'm yours」なんかホントにサービス精神が旺盛で聴いてテンションが上がる。

観客と一体となって演奏してるからこっちも楽しみながら聴けるので
まさにライブで本領発揮するアーティストだと思う。

機会があればぜひ原曲を聴いてから、
YOU TUBEでライブ映像を観てほしいな。



だからでもないがジェーソンムラーズの場合、
オリジナルCD音源の印象がどことなく薄い印象がある。


今回もそれは同じで、ライブで演奏するともっとよくなるんだろうなと勝手に想像しながら聴いてみた。


今回特に印象的なのが「LOVE」という言葉の連呼。

見た目も以前の爽やかボーイ(勝手に俳優のヒューグラントと被る容姿)から
ヒゲを蓄え、髪の毛も伸び
一体彼に何が起きたんだ!?という位
見た目が変わったジェーソン。

なんでも世界的に成功したのにも関わらず、自分は全く無能で無意味な人間だと思う事があった様で、さらにずっと付き合ってたTPとの別れを経験したせいもあってか心境の変化があったのでしょう。

それは3曲目の「The Woman I Love」にもしっかり現れてる。
個人的にこの曲はこのアルバムで一番好き。


続く4曲目の「I Won't Give Up」は本人一番のお気に入りだそうで
この曲の思い入れは半端ないらしい。
なんでも毎日歌って自分のマントラみたいだとか。

どんだけ辛い思いしたんだよ。


まぁ、今回のアルバムは全体を通して1st、2ndの頃の爽やかイメージから
ヒゲを蓄え、何かを経た男のアルバムという印象でした。


7点(10点満点)

2013年8月19日月曜日

あだち充 『タッチ』 (4冊目)



改めて『タッチ』を大人買い。


いまさら名作のレビューなんざききたくねぇよという方は読まないでください。

自分でもあえて今更感満載でお送りします。



まぁ、野球に一切興味ない自分でも、
あだち充の作品は『H2』しかり『クロスゲーム』等あるが垣根なしに入り込める。


この『タッチ』も野球漫画というか
一人の女をめぐる恋愛がテーマで、野球はその恋愛劇を盛り上げるスパイスといったところ。

だから野球のルール知らなくても別に関係ない。


あと『タッチ』というとあのテーマソングが有名だけど
あの曲のせいでなんか毛嫌いしてる人もいると思う。

自分もそうでした。
あぁ『タッチ』でしょ?昔のアニメね、もういいよとか思ってましたから。


で、バカみたいに色んな人が『タッチ』は最高!とかぬかすから
自分で距離置いてたわけです。

だからこの作品を読むまで障害が多かったわけです。


で、読んでみると
「面白い」の一言につきる。


映画はともかく、漫画に関していうと周りの意見を聞いてハズレはないですね。


単純に設定がいいんですよ。

双子で弟は野球の秀才で女にモテるし性格もいい。
兄貴はやればできるのに弟の才能に嫉妬?しながら何でも中途半端。

で、隣の家に美少女の幼馴染が住んでる。
双子のどっちもが実はその子のことを思ってて・・・

これで面白くならないわけがない。


しかしこの作品の魅力は設定だけではない。
主人公 上杉たつやのキャラがいい。
相手の事を思うばかり自分の気持ちを二の次にする性格は同性もみていて
こいつ、かっけぇと思わざるおえない。


そしてカット割りが絶妙。
あだち充の作品はセリフが極端に少なく、
コマと絵のみで心情を表現するが特徴だが、
この技術、ホントにうまいと思う。

コマのあり方を熟知してるのか
漫画の見せ方を知らずにやってるのかわからないけど
流れるようなこのテンポは計算の上だとしたら、ホントにすごい・・・


褒めてばっかだとキモいので、
マイナス点も挙げとくと、


上杉たつや以外の明星学園の他のキャラが薄すぎる。
あまりに上杉たつやがすごすぎてるのでパワーバランスおかしくないか?と思う。
甲子園まで行くメンバーなんだから一人一人のキャラをもっと掘り下げてほしかった。

まぁその辺は『H2』では多少改善されてるけどネ。

今回はスタメン以外のキャラが薄いのは『スラムダンク』以上かも。


あと、あだち充はキャラのかき分けが下手と言われる。
確かにどの作品も同じ顔だ。
いや、微妙に違うんだけど似てるし画がワンパターンだ。

そこは物語でカバーしてるかな。


色々言いましたけど、作品にパワーがあるんで一度読んだらどっぷり世界観に入りこめますよ。

いまテレビで甲子園を放送してるけど、
『タッチ』の様なドラマがあるのかなと思うとちょっと観てもいいかなと思う。

8点(10点満点)


2013年8月5日月曜日

風立ちぬ 2013年/日本映画/126分(15本目)




宮崎駿の5年ぶりの新作「風立ちぬ」を観てきました。


率直な感想は、いい作品かどうかわからないけど決して面白い作品ではなかったです。


子供向けの映画ではないことは確かです。



ジブリにしては珍しく実在の人物、
ゼロ戦を作った堀越二郎が主役なんですが、
簡単に言うとNHKの「プロジェクトX」を無理やり2時間に水増しした様な映画です。



映画的にこれと言って山場がなく、
いきなり子供のシーンから大人へなっていたり、
気づいたら入社5年目になっていたり、
かなりシーンが飛ぶんですが、

かといって軽井沢のヒロインと再会するシーンがかなり長かったりバランスが悪い様に感じました。

途中からこれは恋愛映画なのか?って程。
正直、ヒロインが出てくるシーンはホントにダレた。
え、こっからかよ・・・みたいな。



あと、主人公の声優は「エヴァ」の監督さんだそうで。
最初は下手すぎて違和感があったけどこれは観てくうちに自然と気にならなくなりました。

「となりのトトロ」の糸井さんの時の様な棒読みだけど、
まぁこれも味なのかなって印象。


それから効果音を人間が出してるってことで話題になってますけど
はっきり言っていらない。
どう?やってやった感が伝わってくるんですけど
完全に監督のエゴじゃないですか。

観てる人からしたらちゃんとした効果音を出してほしいといのが正直な感想。

しかも全部が全部人間の効果音でなく
ES使ってるとこは使ってるんですよ。

それがすごい中途半端。


色々言いましたけど良い点もあります。
セリフです。

「何でこの国はこんなに貧乏なんだ」
「毎日、一日一日を大事に生きてるんだ」

これらの言葉は何か心に迫るものがありました。
子供が聞いても何も引っかかるものはないでしょう。


やっぱり色々な経験をしてきた宮崎駿だから出てきたセリフなんですかね。
非常に重いセリフがいくつかありました。



大人な映画って言うけれどどうなんですかね。
その時代を経験した人ならもっと入り込めたのかな。

観る人を選ぶ映画ではありますね。

ただ、宮崎駿が70代になって完全に爺さんとなってるわけで
若者との感性にギャップが生じることは確かだと思います。


まぁ、それは宮崎ブランドを確立してしまった宮崎駿の勝ちなんでしょうけど。
もうずっとジブリ作品って言ったら信者がいるし客はある程度入るでしょう。

意味わからない映画でも「今回は難解な作品だった」と信者なら良心的にとらえます。



はっきり言ってもう宮崎駿の作品はもういいかな。
前回もそんな事言ってまた観てるんで
まぁ、次回もなんだかんだ観てしまうのかもしれないけど
それもジブリ作品の魅力なのかな。


3点(10点満点)




2013年7月3日水曜日

インシディアス 2011年/アメリカ映画/103分(14本目)


『SAW』と『パラノーマルアクティビティ』のスタッフが一緒に作ったホラー映画。


正直に言うと非常にイライラします。

何が?って効果音が。

うるせぇのなんの。

何か起こるたび大音量で「ドーン」とかなりまくりでいちいちびっくりする。

映像的な怖さというより単純に音にビックリするだけでまるで怖くないです。

人間、びっくりするとビタミンが不足するらしいです。
この映画のせいでビタミンが不足しました。


内容も前半までは面白かったが、結局悪魔祓い系映画で何度もやりつくされてる内容。

最終的に悪魔が出てきたときには笑ってしまった。

幽体離脱がテーマらしいけど特に目新しい所はなかった。


途中の全部の写真に悪魔が映り込んでるシーンなんかはまるでコントの様だった。


そして結局最後はなぜか悪魔との肉弾戦。


正直全然面白くありませんでした。


1点(10点満点中)


2013年6月27日木曜日

ロスト・ハイウェイ 1997年/アメリカ・フランス映画/135分(13本目)


もう何回観ただろうか。

もう16年も前の作品なのにこの映画の魅力は色あせることがない。


自分の好きな監督である、デヴィッド・リンチの作品です。
映画好きな人なら知ってると思うけど、
『イレイザーヘッド』、『エレファントマン』、『マルホランドドライブ』、『インランドエンパイア』とか撮った人。
あ、ドラマだと『ツインピークス』だな。


で、デヴィッド・リンチの作品の中でこの映画が一番好きで一番意味わかんねぇ。

何回観てもストーリーがめちゃくちゃ。
わかりそうになってもラストでやっぱり混乱する様に作ってる。
ストーリーが無限ループの様に出口が見えないというか・・・
だからロスト・ハイウェイってタイトルもうなずける。

観客も観てるうちにストーリーを追ってるうちに迷宮入りみたいな。


考える事が嫌いなハリウッド映画好きな人だとダメかも。


自分はこの監督の作品に出合った時に衝撃を受けた。

だってほとんどの作品が意味がわからないんだから。


これは衝撃的ですよ。
意味わかるもん作らなくていいんだと。

開き直りというか
あぁ、観客に一切媚びない監督なんだな。
自分のやりたいことをやってそれがちゃんと評価された人。

逆にこれが評価されなかったら意味のわからない映画撮った、ただの変人ですよ。



で、内容ですけど、
ジャズ・ミュージシャンのフレッドが妻を殺し、牢屋にぶち込まれるんですけど
朝になるといきなり主人公が変わってるんです。

で、いきなり違う主人公の話が始まる。

ここで大部分の観客が置いてけぼりを食らう。

夢オチなのか?男の妄想なのか?
あらゆることを考えるけどどれも違うし、ラストにはリンチに
「ちげーよ」ってあざけ笑われてるような気がしてくる・・・


この映画が面白いかと言われると疑問ですね。
ただし、見入ってしまう映像力がある。


テンポだってそんなによくないのに
なぜかこの不思議な映像世界にどっぷりはまってしまっている自分がいる。

そしてデヴィッド・リンチの映画はどれも共通して不思議な世界観を持ち合わせている。

まったく、不思議な監督だ。


8点(10点満点)



2013年6月21日金曜日

バイオハザードIVアフターライフ 2010年/アメリカ映画/97分(12本目)



久々にひどすぎる映画を観た。

いや、確かに防衛本能が働いて公開中も決して手を出すこはなかったけど
この前テレビで放送されていたのを観て、興味を持った。


自分のホームグラウンドである東京の雨の降りしきる渋谷で
中島みかがゾンビになって人々を襲うシーンがなんとなくよさげだったからだ。


結果、それはやっぱり裏切られる形となった。


東京のシーンは冒頭だけであとはいきなり別の国に飛ぶ。

主人公がクローンでひたすら襲撃にかかるんだけど
やたらCGやらスローモーションやらの連続で完全にマトリックスのパクリ。


なんなんだこれは?
観ていて疑問に思った。


よくもまぁ日本の人気ゲームをこんなめちゃくちゃにしてくれたもんだ。


内容もあってないようなもんだし、
主人公がめちゃくちゃ強いし(強すぎるがゆえに全くドキドキしない)、
敵はサングラスかけていてマトリックスみてぇだし、
大勢のゾンビが出すぎてて、1体1体の怖さやグロさが全くないし、
とにかくこの出来栄えは最悪ですね。

監督は一体何をしたかったんでしょう?

日本人を冒頭に出しとけばひどい映画でも
日本での興行収入は見込めるだろう、と浅はかな考えが浮かびます
(実際、自分もだまされたけどネ)



ちなみにプリズンブレイクの主人公だったウェントアースミラーが出てますけど
ここでも牢屋にぶち込まれてますね。
ギャグなのか、パロディーなのか?

あとあの兄弟の設定いる?


ラストも次回作につながるようなエンディングだし
もういつまでやんだよってみんなからつっこみ待ちなのか、ふざけてるのか
よくわからないですね。


ホントにこんなひどい映画を観たのは久しぶりでした。

1点(10点満点)


2013年6月18日火曜日

小玉歩 『クビでも年収1億円 コミック版』 (3冊目)


ずいぶんと売れた本みたいで、これはそのコミック版。

電車の広告欄にやたらと一時期掲載されていたので何となく気にはなっていたので読破。


正直、本にするほどの内容でもない。



簡単にいうと著者は大企業のサラリーマンで数年がむしゃらに働いたが、
副業がバレて会社をクビになる。
そこからヤフーオークションを始め、せどり、メルマガとネットビジネスを始めることにより大成功をおさめる話。


いまの会社に不満があり、転職やら副業を考えてる人にはかなり刺激になる本ではないでしょうか。

ただ、本の内容が非常に薄っぺらい。


前半は、いかにサラリーマンがこれからの時代不利になるか
サラリーマンを全否定にかかってる。

確かにインターネットの発達や低賃金のアジア人の需要が増えたことにより
(学校で習ったことを仕事に活かす)知的労働の時代は古いのかもしれない。


けども、いくら筆者がサラリーマンをやめ、
インターネットビジネスで大成功したからといって
いまも昔も日本人の多くの人がサラリーマンなわけで
サラリーマンのおかげで日本は大きくなったし筆者も恩恵を受けてきたはずなのにそれを全く蔑ろにした考えはちょっと違和感があった。


この本を読んで会社をやめた人で大成功をおさめた人っているんですかね?

さらにヤフーオークションで荒稼ぎってそんなに簡単なものなのかな?


冷静に考えてみると、誰にでも当てはまる生き方ではないし
この本に100%影響を受けるのはあまりにも危険。


サラリーマン否定とネットオークションを始めようという
同じ様なフレーズが何度も出てくるし、この本は軽い洗脳に近いのかな。

自分にはなんだか怪しい商材の様な本といった印象。

まぁこうゆう生き方もあるよって程度で読んどくのが一番いいかも。


3点(10点満点)


シガー・ロス 『クウェイカー』 / 2013年 (3枚目)



シガーロスの7枚目のアルバム。

確か初めて彼らのライブを観たのが2005年のフジロックで、
マーズヴォルダの後だったからぐったり疲れて演奏中に立ち寝をしてしまった記憶がある。


でもそれほどシガーロスの音楽が心地よかった。
あれから8年間、ずっとシガーロスのファンです。

もうシガーロスは唯一無二の存在だし、
いまやレディへと並ぶくらい有名になったけど
そのスタンスは変わらないし、
いつ聴いても古いとか新しいとかそんな境地にいないバンドなんだなと思います。



さて、今回のアルバムはキーボードが抜けて3人になってからの初プロデュース作品とのことで
正直どうなるんだろうと思ったけど、それは杞憂に終わりました。


まず、ジャケットが黒い。
内容もそれに伴って、「黒い」という表現がぴったりかも。

白いジャケットと言えば3枚目の『()』だけども(あの作品こそが彼らの最高傑作と思う)あのアンビエントで静かな世界とは今回は明らかに対照的である。

内容も「黒くて重い」ものになってる。


1曲目から何か巨神兵みたいなのがゾ~と蠢いてる様な楽曲だし、
キーボが抜けて、逆にバンドサウンドを強調したような内容。

まぁ必然というかそうなるわな。


アルバム通すとホントに重いです。
いままでで一番重いし、比較的ハイテンションなアルバム。


ただ、重い暗闇の中に一筋の光がみえる様な(ベタベタな表現だけどそれが一番合ってるかな)アルバムになってます。


つまりこれまで以上に重めのバンドサウンドを強調しつつも展開やメロディなんかはやっぱりシガーロスと感じられるので安心してください。


でもね、やっぱり『()』が好きな自分としてはキーボードがないと物足りないかなぁ・・・


問題は次の作品ですね。
今回はキーボが抜けたことでそれを逆手にとった作品であったが
同じことを二回やるのはちょっと違うと思うので次回作を楽しみにします。


7点(10点満点)




2013年6月12日水曜日

西村賢太 『小銭をかぞえる』 (2冊目)



これはすごい本だ。


いまや有名人になり、メディアに露出する様になった西村賢太。

芥川賞の受賞時のインタビューで「そろそろ風俗にでも行こうと思ってた」発言で破天荒作家として世間を驚かせたが、本の内容もなかなか破天荒である。


知らない人の為に記載しとくけど、彼の作品は全て私小説である。
私小説とは自分を主役として私生活をそのまま書いたものである。


私小説で有名なのは太宰治の『人間失格』なんかがあるけど、
しかしだ。西村賢太に比べたら太宰なんて甘っちょろいと認識せざるおえない。



はっきり言おう。
西村賢太は最低最悪の男である。

中卒のうえ、定職にもつかず、親父は性犯罪で逮捕され、友人知人から金を無心し、その金を風俗に使い、女に暴力をふるい、そのくせ己の保身の為に土下座で泣きながら謝り通し、女の親から金を借り、惚れた風俗嬢に金をだまされ、成功者を、世の中を憎むアンチヒーローなのだ。


これがフィクションでなく私小説で描かれている。
平成の時代にもこんな破天荒な人物がいるなんて興味がそそられないわけがない。


そんな最低な男の話を一体誰が読みたいのか?

これが怖いもの見たさで共感を得ているから不思議だ。


彼の素晴らしい所は、そんな最低な自分を小説に書くことで一歩距離を置いて客観的に
、かつユーモラスに描いていることだ。

そして会話が実に秀逸。

昔の小説家である藤澤清造を師と仰ぎ、彼の文体に影響をもろに受けたせいで
昭和初期の文体調で、現代の話が書かれている為、ここに不思議なケミカルが生まれている。

自分の事を「卑猥犯の倅」、「色餓鬼」と表現したり、なかなか他の小説にはみない表現である。


西村の本は、基本、どの本も書かれてる内容は一緒である。
金がないだの、彼女と喧嘩しただの不毛な生活(貧乏たらしく、みじめで悲惨)が淡々と描かれている。
だからぶれない安定感がある。


西村賢太の本は全て読破したが、
中でもこの本が一番のお気に入りだ。


短編が2編収録されているのだが、
彼女(一応、付き合ってた彼女はいた)に子供が欲しいと言われ、こんなセリフを吐き捨てる。
「まともに話が通じる手合いもないから殆ど白痴や狂人と選ぶところがないよ。
ところかまわず糞小便を垂れるし、胃液を吐くし、どうにも小汚くて始末におえねぇ」


よっぽどのひねくれ者なのか子供をこんな風に表現する人はなかなかいない。

そんなことを言われたもんだから今度は彼女は犬のぬいぐるみを購入し、
溺愛していく。
その溺愛の仕方もかなり危ないが、喧嘩した時にそのぬいぐるみのクビを引きちぎりテレビの上に置いとくシーンは一種のホラー的でこの本の最大の山場なのでは・・・・


もう1篇も金の為に昔の知人を訪ねていく話は、一度読みだしたら止まらない西村ワールド炸裂なのだ。


こいつ、最低だな。とかいいつつも気づいたらどっぷり西村ワールドにはまってる自分がいたりする。

それはどこかしら西村賢太に近い感覚を自分も持っているせいなのか・・・


9点(10点満点)

2013年6月11日火曜日

サイレント・ヒル 2006年/カナダ・フランス映画/126分(11本目)


第2作が公開されることになるらしく久しぶりに再見。

実はこの映画観るの3回目なんです。

で、3回観て、3回とも気持ち悪い感じになったんです。

気持ち悪いというのは不気味な気持ちというか、不快感というか・・・

これってホラー映画としては大成功だと思うんです。



まず普通の映画としても3回観る映画なんてホントに少ないんですけど
この映画にはなぜか引き付けられるものがありました。

カナダとフランスの合作みたいですけどそこもよかったのかなと。

アメリカが作ったらこんな3回も観るような作品には仕上がってないか。
(化け物が出て拳銃でぶっ放して終わりという単純な映画に仕上がってそう)


観たことない人には軽く説明しますが、これは日本の「サイレント・ヒル」というゲームの実写です。

ゲームの実写というと超駄作『バイオハザード』がありますが、あんながっかり映画とは一線を画します。

出来が明らかにこっちの方が高い。


内容は何かに取り憑かれたかの様に「サイレントヒル」という謎のうめき声を発する娘の奇妙な言動に悩んでいた母親が、治療のために娘をサイレントヒルという街に連れていく話。

けど、そのサイレントヒルは30年前の大火によって多数の人々が死亡した忌まわしい場所であり、今では誰も近付かない廃墟と化した街でそこでのホラー体験映画。


この映画、観ていてドキドキするんですね。
これはホラーで一番大事なことなんじゃないですか?


自分は実はこのゲームやったことない人間なんですが終始ドキドキしてました。

ホラー映画っていきなりでかい音でびっくりさせてごまかしたり、ネタ振りが雑で明らかになんか出てくるのバレバレだったり、結構パターン化してますよね。


この映画では映像の暗さや、サイレン等の効果音の入れ方が絶妙なんです。
そのせいで人間の不快感を掻き立てる映像造りに成功してる。

嫌な心理状態で、なおかつ化け物の姿がホントにリアルで気持ち悪いです。


さらにテーマが魔女狩りや宗教が絡んできて、ただ単にモンスター映画だけでなく、
「人間が一番の悪」というメインテーマがしっかりあるので映画としても面白い。



褒めちぎってますけど難点もあるんです。


主人公の母親の描き方がロボット的なんです。

てゆうのもあんま怖がってない。



ふつうあんだけの体験をしたら怖すぎて何もできないですよ。
いくら娘を探すにしてもあんな怖い体験した後に一人でどんどん暗いトイレを歩けますかね?

自分ならきっと無理です、はい。

その描き方がゲーム的すぎて人間っぽさの描写が少し足りないような気がしました。

あとゲームやってない人が観ると少し物語も分かりずらいかな。

そんくらいです、減点は。


機会があればきっともう一回観るんだと思います。


8点(10点満点)

2013年6月5日水曜日

ダイ・ハード ラスト・デイ 2013年/アメリカ映画/98分(10本目)



昔めちゃめちゃ好きだったダイ・ハードの最後の作品

・・・と思ったら第6作の制作が決定したとかでどんどん興ざめしていくこのダイ・ハードシリーズ。

しかも今度は東京が舞台とかになるようでダイ・ハードファンとしてはなんだかなぁ・・・




あ、肝心の本作ですが、正直あまり面白くはありません。

確かにアクションは最近みた中では迫力があるんですけど。
映画館で観たんですけど脳を使わずに観る映画としては最適です。


けど内容が全くといっていいほどないんです。

プロットが雑。
昨日今日考えたようなストーリーか。

「悪い奴らをぶっ殺す」ってセリフもまるでセンスがない(そのまますぎて)


ダイ・ハードの魅力ってなんでしょうね。


一つ目は主人公ジョン・マクレーンの人間臭さかな。
ボロボロになりながら、愚痴を言いながら敵をやっつけていく、
決してカッコいいヒーローではないけど、彼の人間臭さが売りだったはず。
けど今回はまるで機械の様に敵を殺しまくってる。


二つ目は孤独。
一作目の中富ビルでたった一人でテロリストを倒していったり、
二作目でも飛行場を占領したテロを、しかもやたらとジョンを敵視する人物もいたりしてそれが物語にスパイスを与えてたり。
まぁ、三作目からは相棒が当たり前になってきたけど。


三つ目は悪役。
毎回悪役が個性豊かで物語を引き立ててたんですが、
今回の悪役はまるで魅力がなかったな。



あとアクションがすごすぎて、主人公が無敵すぎる。
CGを使いすぎててダイ・ハードとはもはや別モノと考えたほうがいいようだ。

あんだけロシアで人殺しまくったりしてて何事もなく帰国してきたけどどうなん?

てゆうかいつからジョン・マクレーンは殺人キラーになったんだ?



相当文句を言ってるけどここまで付き合ったんだから6作も観ますよ。
しかたねぇから。




jackass  2000年~2010年 / アメリカ番組・映画(9本目)



言わずとしれたジャッカス。


アメリカのおバカ番組と聞いてずっと倦厭してたけどひょんなことから鑑賞。

結果、大ハマりすることに。


ジョニー・ニックスビルを筆頭にレギュラーが毎回バカな事、無謀な事、思い付いても誰もやらないこと(ゲロでオムレツを作りそれを自ら食べるとか、ウン○の中にダイブするとか・・・)を身体を張って彼らが挑む。


だからゲロやウン○等の汚物は当たり前の様に出てくる為、
抵抗ある人いるかも。

というかほとんどの人は生理的にNGなのかな?

これが映倫に引っかからないわけがない。


それでもこの作品がこんなにもウケているのは
彼らがこんなバカバカしい事にひたむきに身体を張って挑戦するその姿に一種の感動すら覚えてくるのだ。


倫理的にアウトなものもいっぱいあるけどこれも「バカな外人だな」と半ば流す形で観ると
「もう勝手にやってろ」とこっちが諦めモードに。


これを観ると日本の身体を張った芸人がなんだか赤子の様に思える。


レギュラーの一人が事故で亡くなったけどもう続編はやらないのかな・・・。


ちなみに劇場版の一作目は日本が舞台だったりするからよかったらご覧ください。
責任は持ちませんけどネ。


7点(10点満点)