2013年10月9日水曜日

Polaris 『色彩』 / 2013年 (5枚目)



Polarisはよく大学時代に散々聴きました。


ダブ・ポップなんてジャンルらしいですけど僕としては酒に合うリフレインな曲が好きなんで。


とにかくPolarisは酔っ払いながら聴くのがおすすめですね。


テクノなんかが要素にあるんですけど4つ打ちでもない。


テンポの遅いテクノの様な感じといったほうがいいですか。




今回のミニアルバムはというと


1曲目の「流体」は音の少ないメインのギターフレーズを繰り返しながら微妙にマイナーチェンジをしていく曲の作り方は昔からホントに変わっていないですね。



前作の「光る音」もそうでしたし何か安定感と安心感ありますね。


1回聴いただけでこれまた酔っ払った秋の夜空とかに聴いたら気持ちいだろうなと思いましたね。



2曲目の「とける」も酒に合う小気味良いリズム。
こうゆう裏打ちのリズムもPolarisの特徴だったなと。


3曲目はちょっと今までにはなかったタイプのテンポですね。
ドラムが印象的です。
ちょっとRadioheadの最近の曲にありそうだな。



ミニアルバム後半の4~6曲目はアコギメインだったりゆったりまったりな曲でまとめられています。


個人的には前半の3曲がおすすめかな。



ちゃんとしたアルバムを期待していたけどミニアルバムだと曲が少ないのが不満ですね。

次のアルバムには「光る音」や「流体」なんかが入ってくるんでしょう。




正直Polarisに関しては捨てアルバムってないと思います。


これってすごいですよね。


まぁ、僕が個人的に好きなのもあるんですが、
どのアルバムも聴くとあぁ、Polarisだってなるのがすごい。



これからも無理せずゆるいペースで定期的に出してほしいものです。




6点(10点満点)

式日 2000年/日本映画/128分(25本目)



この映画はかなり異色である。

なにが?って


まず映画監督の岩井俊二が俳優として主演している。
そして原作者の藤谷文子も自らが主演している。
監督はアニメーション『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明が実写映画化。
さらにスタジオジブリのセカンドブランド「スタジオカジノ」から製作。


これだけでも異色だらけだと思いますが内容も予想以上でした。



家族問題により現実逃避してしまった女の孤独で病的な精神世界から再生までを描いてるんですけど、まぁ観る人を選ぶでしょうね。


若干エヴァの要素も入ってます。



最初、この女の変わったメイクや衣装に戸惑います。

演技も正直下手ですし。


調べてわかったんですけどこの女優はあのスティーヴン・セガールの娘らしいです。

これも結構衝撃でした。



岩井俊二も監督としては一流だけど俳優しては・・・
てか棒読み。


大丈夫か?と思いながら観ていくと次第にこの世界にどっぷりはまってしまっている自分がいる。

奇抜な映像と精神世界の映画って見せ方が非常に難しいと思うんです。

一歩間違えれば退屈な映画になりますからね。



この映画では女の感情が毎日違うんです。


それをメイクや衣装でも表現しているとこが新しいかな。


再生までの1ヶ月のカウントダウン方式で話が進むんで
淡々としてるけど終わりがわかるから観てしまう。


この映画の疑問点はあります。


舞台は山口の工場地帯の廃屋なんですけど
あんなとこ住めるんですか?
なんであんなに衣装もってるのか?


まぁ、その辺言い出すとこのての映画はきりがないので言いませんが。


二人の演技が下手なのも後半から気にならなくなってきました。



それだけ作品に力があるんだと思います。


最後のシーンは好きです。

絶妙なタイミングでCoocoの曲が流れるんですけど救われたラストが妙に心地よかった。



映画を観て考えることをしない人には受け入れられない映画でしょうね。



7点(10点満点)


2013年10月1日火曜日

undo 1994年/日本映画/47分(24本目)



岩井俊二の1994年の作品。



若い頃の豊川悦司と山口智子が競演で、劇中はほとんどこの二人しか出てこないです。


脅迫的に縛ることに執着してしまう精神病の妻に翻弄される夫の話です。


まるで谷崎潤一郎の小説の世界を岩井俊二テイストにした様な映画です。


この「縛る」という行為の本当の意図がわからないとこの映画はただの変態的な意味のわからない映画になってしまうでしょう。


二人の愛の度合いと方向性がお互い一緒に住みながらも距離があるんです。


それはキスしたあとのアイスクリームを食べるシーンや
犬がほしかったのに亀をプレゼントされたり
仕事ばかりで日曜にデートもできない。



まぁそんなことで頭がおかしくなられたらたまったもんじゃないですけどね。




この微妙なすれ違い(?)から妻の様子が少しおかしくなりはじめる。


山口智子の演技がナチュラルに狂っていくので非常にリアルでゾッとするものがありました。




あとこの映画の尺(47分)もよかったです。



こんな内容で2時間やられたらさすがにキツイですよ。



一般受けはしないでしょうね。

この映画がヒットしてしまったら、「踊る大走査線」や「海猿」はあんなに客が入らなかったでしょうし
映画を観て考える事をしなくなった日本人には受け入れがたい映画なのは間違いないです。



5点(10点満点)


フライト 2012年/アメリカ映画/138分(23本目)


ロバートゼメキス監督とデンゼルワシントン主演なら大体大きな失敗はないだろうなと鑑賞。

良くも悪くも予想通りでした。



飛行中のトラブルから大勢の命を救い、英雄となるはずだった飛行士にあらぬ疑いがかけられる話なんですけど
予告を見る限り、無罪なんだけど罪をきせられるみたいな作りだったんですけど結果コイツめちゃくちゃ有罪じゃないですか。


クライムサスペンスみたいなキャッチフレーズもこの映画の趣旨と合ってないですね。


だってこれただのアル中の話じゃないですか。

宣伝する人たちはこの映画をちゃんと観たんですかね。
監督は意図と違うけどお客さんが観にきてくれたらいいや的な感じでしょうか。


だから思ってたのと違うって人結構いるみたいですね。
でもこの映画自体は悪くないですよ。


デンゼルワシントンは演技がうまいですね。


どうしようもないアル中で飲むと気性が荒くなり危ない奴になるんです。


事故のあった飛行中も酒を大量に飲んでてそれが問題となるんです。

結果大事故を間逃れるんで結果酒を飲んでてよかったんですけどw



でもコイツは全然酒をやめられない。
ホントにどうしょうもない奴だしダラダラ続くんですけど何故か観てしまう。



見所はラストです。

映画の核となる部分なんで詳しくは書かないですけど、
ホントにあのデンゼルワシントンの演技の間にドキドキさせられました。


映画観ていて久々の感覚だったかな。


展開も地味ながらも演技でみせてくれた感じです。



ただし終始、酒の話だったんで「フライト」ってタイトルは変えたほうがいいですね。



7点(10点満点)