2013年9月20日金曜日

テッド 2012年/アメリカ映画/106分(22本目)



自信を持って言います。
間違いなく今年観た映画でぶっちぎりのワースト映画でした。


よくもまぁこんな糞みたいな映画がヒットしましたね。


まず、この映画のポイントなんですが、
「可愛い外見のクマのぬいぐるみの中身が、実は下品なおっさんだったら」
という発想からきてるんですけど、

正直それのみです。
それ以外この映画には何もないです。


下品なおっさんって言ってもただひたすら笑えない下ネタを連発するだけです。
この下ネタももっと笑えれば救い様があるんですけどね。


コメディ映画って言ってますけどこれはコメディ映画って言っちゃいけないですよ。
下ネタのみで、笑える所が一つもないですからね。

他のコメディ映画なら、もっとマシなもの作りますよ。
下ネタなんて子供なら誰でも笑いますし。
それ一本ってことは他に笑わせる能力がないって認めてる様なものです。


この監督は絶対つまんない奴ですよ。
そもそも面白い発想が下ネタ位しかないんじゃないですかね。

頭の悪い子供が作った映画です。


あとあのサイコな親子がなぜあそこまでテッドに執着するのかもわからないです。
話は「トイストーリー2」と被ってますし、蛇足な感じがしました。
ここらで最後一発盛り上げるとこが必要だろみたいな。

まぁこの手の映画はあらを言い出すときりがないですね。


主演のマーク・ウォールバーグはマッチョ感が妙に違和感ありました。
いや、別にいいんですけどこの映画にあのマッチョ感は合わないと思うんです。


それにヒロインのミラ・クニスは「ブラックスワン」の時から思ってたんですけど化粧が濃いですよね。こないだスッピン公開されてましたけど別人でした。
彼女はヒロインにしてはアクが強すぎると思うんです。
悪役がお似合いかな。


あと「フラッシュ・ゴードン」のくだりはホントにうっとおしかった。
あれは元ネタがわからないと楽しめないし、
そういったものをあんだけ尺を使うっていうのはあまりに観客を置いてけぼりにしてること気づいてないんですかね。

マニアの心をくすぐるよーって監督の自己マンでしょ。


そもそもこの映画のターゲットってどこなんでしょうかね?


この下品な下ネタ映画は子供向けではないですよね。
見た目にだまされて子供と一緒に観てしまった親御さんは悲惨でしょうね。


てことは大人向けなんでしょうか?
それにしては作りが雑すぎて幼稚な内容です。


いずれにせよ、こんな救い様がないしょうもない映画は
映倫がもっと厳しく取り締まって日本に輸入しないでもらいたいものです。


0点(10点満点)

2013年9月13日金曜日

キル・ビル Vol.1 2003年/アメリカ映画/111分(21本目)



映画としてはどうなのかわからないですけど
B級映画としては面白い映画でした。


タランティーノは大の日本好きらしいですけど
それが映画に出てますね。

もう、観て「ニホンジン、ダイスキネ!!」がビンビン伝わってくる。


この映画に関して突っ込みどころは挙げたらきりがないですね。
確信犯でやってるんでしょうけど。

何で日本刀をわざわざ沖縄で作るのか
何で沖縄で寿司屋なのか
何で飛行機に日本刀が持ち込めるのか(これはギャグでしょう)
何で基本的に戦いがカンフーなのか


まぁ最初は突っ込んでたんですけど途中から諦めました。

この映画はそうゆうスタンスの映画なんだと。


アニメのシーンも意外とよかったな。
ただ、オーレンイシイは日本人がやるべきですよ。


場所は日本だけど対決がただの外人同士じゃないですか。
日本人が中国人(日系だっけ?)に牛耳られてるのも何か釈然としないです。

あとは片言の日本語は笑わずにはいられないですね。
「イクヨ」とか「イイヨ」とか監督は笑わせようとしてやってるんですかね。


話としては仇討という非常に単純明快な構造で
そこにアニメやらカンフーやらめちゃくちゃくに詰め込んだ
映画なので多国籍映画といった感じです。


ただし腕がもげたりグロイシーンが多いので受け付けない人はダメかも。


基本、戦いばっかなんで内容はないですけど。
頭からっぽにして観るにはいいんじゃないでしょうか。

久しぶりに「レザボアドッグス」や「パルプフィクション」も観たくなりました。



6点(10点満点)

2013年9月10日火曜日

東野圭吾 『真夏の方程式』 (6冊目)



東野圭吾といえば『白夜行』と『幻夜』がよかったですね。


上記の2作品がよかっただけに他の作品の印象が薄いです。
勝手にハードルを上げられておいて
それを超えられなかったからといって、そこまで面白くないというレッテルを貼られる非常に損な作家ですよね。

それでも単品で読めば他の作家に比べれば十分面白いですよ。


東野圭吾はどの作品も似てるし量産型の作家なので
そこそこハズレはないしある程度は面白いです。
ある程度は。


出版社も安泰ですね。
本が不況な時代に東野圭吾が本を出せばかなりの数が売れるわけですからリスクが非常に少ないですよね。

けど皮肉なことに読者は『白夜行』とか『幻夜』を求めてる。

そして最近の東野圭吾には本気度が伝わってこない。


以下ネタバレです。


ホントにこんなラストでいいんですかね?



ある殺人での犯行なんですが、小学生も犯罪を手伝わされてしまうんです。
本人はその時は自覚がないんですが結果、人が死んでしまう。
小学生はずっとこの先、罪の意識に苛まれながら生きていくことになる。

最後に主人公の湯川が、「これから一緒に考えよう」といったけど
考えるもくそも被害者ですよ、この少年は。

自分は指示されてその行動の意味すら分かっていない。
結果、人が死んでるんですがこの「考えよう」ってセリフはちょっと違和感を感じました。

だったら、「君がやった事と人が死んだ事は関係がない」とか嘘を言ってやったほうが
まだ救いがあるんでは?


正直、後味はよくないです。



映画化もされたみたいで、主人公の湯川は福山雅治だそうですね。

宣伝のせいで、イメージが完全に福山ですよ。


もっと自分なりのイメージで人物を想像したかったのに、
先に映画化とかキャストを大々的に宣伝されるのって作家としてどうなんでしょうかね。

少なくとも読者としては俳優のイメージが強くて、
クリーンに作品に入れないですよ。


まぁ、なんだかんだ言いながら最後まで読めたし
最後はすっきりしないですけどそれなに楽しめました。
東野圭吾は良くも悪くもこの路線でずっとこれからもいくんでしょうね。


3点(10点満点)

2013年9月5日木曜日

ヒミズ 2011年/日本映画/129分(20本目)




「稲中卓球部」の古谷実の原作の映画化です。


この映画はなかなか見応えある映画でした。



主演の染谷将太と二階堂ふみは演技がうまいなと思いました。
ちゃんと役になりきっている。


要するに15歳というまだ精神的に安定していない思春期の主人公が
家庭内での環境だとかが影響して思わぬ事件を起こすんです。


まぁ、内容はよくありがちですね。
思春期の15歳とかそのへんって題材としてはドラマになりやすいんでしょう。
「リリィシュシュのすべて」とか「桐嶋、部活辞めるってよ」とか。


漫画を映画化したんだろうなって感じがします。
設定が現実的ではないですから。
例えば元社長のおっさんが、「住田さん」って「さん」付けですから。


まぁそこはこの映画の世界観が確立されているので特に気にならなかったです。

映画ってどれだけ設定に無理があっても
それを納得させる力技みたいなものがあれば
観客に突っ込ませないんですよね。

それが前回の「アルマゲドン」では監督の力量不足が如実に出てました。



でもちょっとこの映画、長いかな。
ぶっとんだ設定とキャラも最後の方では麻痺してますから特に刺激は感じず。


監督は急きょ、東日本大震災後の設定に変えたらしいですけど
震災を通しての虚無感とこの原作の排他的なものにシンクロさせようとしたんでしょう。
すごく挑戦的だけど評価します。


僕は映画化する際に必ずしも原作通りに作る必要はないと思うんです。
というか原作通りに作ることはそれぞれの読者の中のイメージがあるのでそれは不可能です。


それなら原作と少し変えて、アレンジすることによってよりいい方向に向けばいいと思うんですね。


だから原作と違うとか批判してる人いますけど、違うにきまってるじゃなないですか。

人が作るものなんだから主観が入って当然だし
逆にどれだけ原作の世界を理解してるんですか?と言いたくなる。


話を映画に戻すと、
この映画では思春期ゆえの狂気がうまく描かれている。

主演も窪塚や吉高由里子、でんでんとか豪華です。

この映画の世界観が合うか合わないかがで好き嫌いがはっきり分かれることになると思います。


7点(10点満点)


アルマゲドン 1998年/アメリカ映画/150分(19本目)



何でいまさら?と言われるかもしれませんが
TSUTAYAでふと見かけて懐かしくて思わず借りてしまいました。


もう15年も前の映画なんですね。


当時、自分はまだ中学生でこの映画に号泣した覚えがあります。



で、15年ぶりの再鑑賞。

まぁ、よくもこんなひどい映画で泣いたもんだ・・・



はっきり言ってこの映画、かなり幼稚な作りです。


小惑星の表面を掘削し、その中に爆弾を設置して爆破し
地球に衝突するのを回避しようとする話ですが、


人類が滅亡しようとしている時にNASAは
17か月間訓練した宇宙飛行士でなく、
2週間しか訓練してない、しかも掘削員を宇宙に行かせないですよ。
(中には犯罪歴もあって宇宙に行く寸前にも暴力事件で警察に捕まっている者もいる)


いくらそれしか方法がないとなってもちょっと現実的に考えてありえない。


まぁ、それを言ったらこの映画は元も子もないんですけど設定自体に無理がある。

だからもう冒頭の部分で全く入っていけなかった。



あとアメリカ人至上主義が非常に鼻につきました。

一人ロシア人もいましたけど結局アメリカ人が人類を救ったっていう映画でしょ。

「アメリカ人はすごい!」って自分たちで勝手に盛り上がってて
かなり心が離れました。

日本人の描写は松田聖子がニューヨークで逃げ惑うだけでしたから。



ブルースウィリスとベンアフレックの子弟ドラマはいま観ると
非常に安っぽいドラマだなって印象。


ブルースウィリスは冒頭でベンアフレックに拳銃ぶっ放してたくせに
ラストで「ホントはお前の事、息子の様に思ってた」って変わりすぎでしょ。

ちょっとこの変わりようは人格ヤバい奴ですよ。

しかも子弟ドラマのパターンはもう使い古されている。

余談ですが、「ワンピース」のサンジと片足のゼフもこれと同じパターンですね。

あとテンポが良すぎて1シーン1シーンが非常に安っぽいんです。

息子に「実はあの人はセールスマンじゃなくてあなたのお父さんなの」っていう
親子のシーンも後付感があり安っぽい。


アクションは迫力はありますし、一生懸命見せ場を作ろうと色んな危機を
盛り込んでいるので飽きずに観れますけど
なんせカメラの手振れが半端ない。

臨場感を出すための演出なんでしょうけど
酔いそうになります。

後半は小惑星のシーンばっかりで単調になるのを避けたかったんでしょうけど。


で、ラストの横になって歩いてるシーンなんかはちょっと臭くて笑ってしまいました。

どう?最大の見せ場だよ?感。


この映画はもっとテレビドラマなんかにして
時間をかけて一人ひとりのドラマをしっかり描いた方がいい様な気がします。

150分にまとめるとどうしても一つ一つが中途半端なままになってしまうんで。


監督もいまになって後半はやり直したいって言ってるみたいですから
この出来に満足してないようです。

まぁ何も考えずにポップコーン食いながら休日に観る映画としてはいいんじゃないですかね。


2点(10点満点)


ドライブ 2011年/アメリカ映画/100分(18本目)




スタイリッシュな犯罪映画として周りがやたらプッシュしてくるので鑑賞しました。


これがなかなかいい出来でした。


内容は結構ありきたりです。

好きになった人妻の夫の借金トラブルに首を突っ込んだことから
事件に巻き込まれるという話。

 
音楽の使い方、映像の見せ方が非常にうまいので
ありきたりな話だけど見入ってしまいます。


オープニングの車から見える街の風景は「ロストイントランスレーション」を彷彿させる画でした。

音楽もどことなくマイブラっぽいし、なんか意識してるんですかね。

いずれにしてもハリウッド映画っぽくないです。

あとサントラはかっこいいです。
抑えた感じで。


主人公は北野武映画に出てくる様な無口な男です。

 
やたら無口な上に無表情なので
正直何考えてるかよくわかりません。

けど途中からこいつはこうゆう奴なんだなと悟るわけです。
感情をあまり出さない静寂の中の感情を持っているというのが
こいつの持ち味なのかなと。


正直、この映画に関しては不思議とあまりいう事がないですね。
めちゃくちゃひどい映画ならまだいい様があるんですけど
この映画がそんなに悪い事が見当たらない・・・
 
 
といってもめちゃくちゃ絶賛!というわけでもないんですけど。
 
だからタチが悪い映画です。
 
 
7点(10点満点)
 
 

2013年9月3日火曜日

ルーパー 2012年/アメリカ映画/118分(17本目)



最近ブルースウィリスはやたらめったら映画に出まくっていますね。

小遣い稼ぎなんでしょうか?

で、タイムトラベルものということで気になったので鑑賞しました。




感想としては、いい素材だけど調理方法を間違えた
って感じですね。

やっぱりブルースウィリスが拳銃持つとどうしても「ダイハード」になっちゃうんですよね。
これって本人も言われるの嫌なんだろうけど。
ブルースウィリスって演技も全部一緒だし
どの作品も結局同じキャラになってる。


日本でいうと木村拓哉みたいですよ。

金太郎飴みたいでどれも同じ役柄。
量産型って感じですね。
だからどれ観てもある程度は観れるけど結局「ダイハード」と一緒じゃねぇかって事になる。



映画について言うと結構話がわかりづらい。


未来ではタイムトラベルが可能になったが、法律で禁止されてる。

未来では殺人を犯すとばれてしまう為、犯罪者は30年前に殺したい奴を送りこんで
当時の殺し屋に殺させるという方法をとっていた。
(なぜ30年前なのかは説明なし)

主人公は殺し屋なんだけどそこへ送られてきたのが30年後の自分。
で、ターゲットは逃げてしまう。

未来の自分を殺さなければ自分の命が危ない殺し屋と、
妻の復讐が目的の未来の自分とのSFアクションって感じ。



これだけでも結構複雑な話なのにここにさらに
主人公のラブストーリーも入ってきて
さらにヒロインの息子の超能力も入れてくる始末。


監督はよっぽど自信がないんでしょうか?
色々詰め込みすぎですね。


あらゆるものを取り込んだエンターテイメント作品にしようとしてますけど
それにしてはテンポがよすぎて観客はついてこれないですよ。

このテンポについてこれない人は観なくていいって感じですか?
それは監督のエゴです。
きちんと説明しないのはただの仕事放棄。
または、完成されてないものを出すなよって感じです。


もっと色々削って自分VS自分ってわかりやす構図の方が
もっと人物描写を深く描けてストーリーに厚みが出たのでは?


あと、ジョセフゴードンの30年後がブルースウィリスって設定なんですけど
無理があります。

似てないんです。
だから30年後と言われても、ジョセフゴードンはジョセフゴードンだし
ブルースウィリスは・・・もっと言えば「ダイハード」のジョンマクレーンだし。

これはキャスティングミスでしょ。

だったら「バックトゥザフューチャー」みたいに全部本人が演じればよかったんじゃないですか?


何だかんだボロクソ言ってますけど
未来の自分がターゲットって言う設定自体は面白いと思うんです。


いい材料はそろってるのに
ちょっと調理方法を間違えた・・・そんな感じの映画ですね。


4点(10点満点)