2013年5月31日金曜日

Daft Punk 『Random Access Memories 』/ 2013年 (1枚目)


ついに出ました、Daft Punkの新譜。


聴くと1stアルバムの『HomeWork』の頃とはまるで別モノ。
同じアーティストかと思うほど、今回は完全にpopな歌モノといった感。

「one more time」みたいなゴリゴリのダンステクノを期待してる人には戸惑う作品になってることこの上なし。


自分もそうでした。
Daft Punkはフレンチテクノの最先端で、その後のjusticeとかSimian Mobile Discoなんかにも影響を与え、一時代をリードした・・・
まぁ、みんな知ってるから説明はいいや。

まぁ毎度、同じことをやっていても仕方がない。

時代の最先端を担ってきた彼らだからこそ、常に音楽も進化するのは必然であって、
今後ダンスミュージックはこういった形になっていくかも・・・


とにかく今回はフレンチ要素を軽く残しつつも、しっとり聴かせるナンバーばかり。
けどどこかDaft Punkっぽさも持っている。


クラブミュージックではなく、どちらかと言えばBGMにもってこいかな。
店で流れていても邪魔にならない様な。

80年代のクラブミュージックに通じるけどしっかりDaft Punkみたいな。

決起盛んな音楽ではなく、大人なしっとりとした音楽。

これは古い様で新しい・・・


ただ、昔のDaft Punkとはまるで違うので一度視聴してから購入を決めた方がいいかも。

6点(10点満点)


2013年5月29日水曜日

アウトレイジ ビヨンド 2012年/日本映画/112分(7本目)


前作が思ったより面白かったんで期待して観たら肩すかしを食らった。


でかくなりすぎた山王会を元山王会の大友(ビートたけし)と木村(中野英雄)がつぶしにかかる話。

前半はアクション等大きな動きはないものの物語的にも面白く見入ってしまったが、
後半はなんだか特に盛り上がりをみせずに終わった感じ。


前作でみられた様な血なまぐさいシーンやグロいシーンは今回はほとんどない為、
前作以上の激しいドSシーンを期待して観ると裏切られ感は半端ない。


あと、DVDで観たからなのかわからないが、全然怖くない。
これは致命傷じゃない?

役者が頑張ってヤクザの演技をしてるなぁと俯瞰で観ていた。

特に今回は加瀬亮が吠えまくってたけど、もともと彼はそんな感じの人でもないしね。

西田敏行や桐谷健太も別に迫力はなかったなぁ。



たけし監督は全作観てるけど一番好きなのは『3-4X10月』、『あの夏、いちばん静かな海。』、キッズ・リターン』、『Dolls』なんかかなぁ。

特に『Dolls』なんかホントに芸人が撮ったの?って位完成度が高くいのに
日本では全然ヒットせずになぜかロシアでロングランだって。


初期のたけし映画は娯楽というよりも芸術的な観点で映画作りをしてた。

比較的ヨーロッパ人って映画観た後、紅茶飲みながら何時間でもその映画について語る文化があるみたい。彼らは映画を絵画の様な芸術としてみる。

けどハリウッドはとにかく派手なアクションシーン、頭を使わずにみれるような映画を作った。

ここにヨーロッパとアメリカの映画の違いがある。
どちらがいいか悪いかという議論はさておき、(どっちも映画だと思うし)

たけしの映画はハリウッドにあるような無駄な説明を一切排除した作りになってる為、
ハリウッドにどっぷり浸かった日本人、特に「映画は娯楽」としかみてきていない人にとってはただの意味わからない映画にうつる。


たけしの映画のすごさをわかる日本人が少ないのも悲しいことですね。
ただ、前作といい、最近のたけし映画は娯楽映画に方向展開しつつあるのか・・・。

3点(10点満点)

悪の教典 2012年/日本映画/129分(6本目)


「黒い家」や「青の炎」などで知られる貴志祐介の小説の映画化。

理不尽にもクラス全員を殺しまくるという設定は「バトルロワイヤル」を一瞬彷彿させるが、
こちらは先生が生徒を殺しまくるというイカれた内容。

どちらかと言えば実際に起きた事件、津山30人殺しがモチーフか?


AKBの誰かが「私、この映画嫌い」と言って偽善者扱いされたことでさらに宣伝効果があったのかな?正直、どうでもいいですね。


期待して観たが、結果からいうとそんなに面白くありませんでした。




まず、後半の殺し方が拳銃一本と非常に単調。
殺される方の生徒の内面をもっと掘り下げて描かないとただ人形をバンバン打ってる感じがして、あー撃ってるねぇとだけしか思えない。


主人公の先生は知能犯の設定なのに、行き当たりばったり感満載で殺してる。


こうゆうホントの狂気を描くなら、有名な俳優でなくもっと無名の俳優の方がいいのかもしれないですね。
伊藤だと演技してるなぁ、頑張ってるなぁって覚める時がある。
それは映画としても成功ではないよね。


ちなみに監督の三池監督は革新的なことに常に挑戦していて好きな監督です。

次回作に期待します。



3点(10点満点)

2013年5月28日火曜日

桐島、部活やめるってよ 2012年/日本映画/103分(5本目)


何だか変わったタイトルの映画。

主人である「桐島」という人物がバレー部をやめたとの噂によって「桐島」をとりまく人物達の模様が描かれる学園ものだが、「桐島」という人物が画面上に一切出てこない。


新しい感覚だが、結局うまく感情移入できなかったのが正直なところ。

発想としては新しいのかもしれないけど「主人公不在のドラマ」
それだけのプロットが先に出すぎている感は否めない。


主人公不在で周囲の色んな視点からその日一日の出来事を掘り下げていく方式だが、
その日一日の出来事が桐島がただ部活やめただけなんですよね。




正直、どうでもいい。


桐島はみんなに人気があって、彼女がいて、運動ができて完璧な存在として周囲の人間にはうつっているらしい。
そんな完璧な人間がこの映画には一切出てこない。
これによって完璧ではない人間が逆に個性的にうつる。

一説によると「桐島」=キリスト

の図式で解釈する人もいるのはうなずける。


けど、多角的視点映画の肝心な事件が、
桐島が部活をやめたことって・・・

この見せ方って何か衝撃的な事件があってはじめて活きる手法なのにこれだとしょぼすぎるのである。


素材はいっぱいあるしやろうとしてることは新しいけど
何だかもったいないかな。


個人的には神木龍之介の友達(映画部)がいい味出していた。


5点/10点満点

アルゴ 2012年/アメリカ映画/120分(4本目)


『アルマゲドン』なんかに出てた俳優ベンアフレックが監督した社会派ドラマ。


なんかだ個人的にベンアフレックって俳優としても監督としてもパッとしなかったイメージなんだけど
今回の映画でかなり評価されたみたい。


内容は1979年のイランで、過激派がアメリカ大使館を襲撃し大使館員を人質にとった。

彼らは前国王の引き渡しを要求。

混乱の中、裏口から6人が脱出し、カナダ大使の家に身を隠すが、見つかれば公開処刑は間違いない。

絶望的な状況を打破するため、CIAの人質奪還のプロ、トニー・メンデスが呼ばれニセ映画を企画し、出国させるという作戦だった・・・。




これだけ聞くとすごく観たくなるけどこれは実話みたい。


昔のCIAは緊迫した状況でよくこんな奇想天外な発想が思い付いたもんですね。


派手なアクションは全くないが、ハラハラドキドキもので目が離せなくなる。



主人公のベンアフレックは髭を生やし、かなりもっさい感じだけど
緊迫した状況を目で演技をする。

セットもファッションも昔のリアルをとことん追求し、本格社会ドラマとなっている。




が、もう一回観たいとは思わないのが正直な感想。

自分にはなんだか正統派すぎる映画という印象。



ただ、ベンアフレックってホントに映画好きなんだなと思う一本。

いつかクリントイーストウッドみたいな巨匠と呼ばれる日が来るかも・・・




6点/10点満点




新堂冬樹 『ブラックローズ』 (1冊目)

新堂冬樹はどれを読んでも面白いというイメージを
前回読んだ『殺しあう家族』でなくしかけてたが、通勤時間の合間暇すぎて購入。


率直に言うと今回はまぁまぁの出来だった。


テレビ業界のあるやり手プロデューサーに追い込まれ自殺した親父の仇を打つ為、
その娘が復讐する仇討話。


仇討といっても、殺し合いなどではなく
ドラマの視聴率を取るために四苦八苦する女性プロデューサーの話だが
そこは新堂冬樹。


やり手プロデューサーのドラマの主役を自分のドラマの主役に引っこ抜いたり
視聴率の為ならスキャンダルをねつ造したり、
賄賂出したり
とにかくあの手この手で出し抜く様は夢中になる。


しかし最後の盛り上がりがイマイチ感がぬぐえないかな。


新堂冬樹は脳内で映像化しやすい作家で非常に読みやさすにある。
文章は読みやすいがその分中身が重いので慣れてない人は胃もたれするかも。

ラストに向けてどうしようもない破滅のパターンが毎度お決まりだが、
比較的今回が新堂節が落ち着いてるかな。新堂初心者にはいいかもしれない。


ちなみに新堂冬樹でお勧めなのは、新興宗教の実態を描いた『カリスマ』、小さい頃あんな純粋だった子供が豹変する『鬼子』など。


6点/10点満点


2013年5月27日月曜日

96時間 2008年/フランス映画/93分(3本目)




内容は娘を誘拐された元CIA工作員のリーアム・ニーソンフランスが助け出すという超ありきたりなプロット。

スカッとしたいがための映画。
中身なんてあったもんじゃない。


よりによって何で元CIA工作員の娘を誘拐したのか、間抜けすぎる敵

「外は危険だ」とやたらめったら超過保護な親父

案の定、危険が忍び寄る超ご都合主義な展開



ただし、突っ込むのをやめ、
頭を使わずに何も考えずポップコーン食いながら観る映画としては最高な出来栄えだと思う。


世の中、難しい難解な映画ばっかりでは疲れちゃうし
こういう映画もあってもいいかなと思う。


娘が危険になり助けだす親父としては「24トウェンティフォー」のジャックバウワーと若干かぶるがあれよりもテンポがいいし、助け方も凝ってて目が離せない。


パート2は敵がリベンジしてくるらしいけどw
きりねぇよ


さらに続編やるならジャックバウアーと対決した映画が観たいな。


4点(10点満点)

おおかみこどもの雨と雪 2012年/日本映画/118分(2本目)







昔からアニメはジブリか大友克彦かエヴァくらいしか観た事がなかったけど細田守監督はここ最近のアニメ監督ではグイグイきてる感ありますね。


ストーリーや見せ方は現在のジブリより勝ってる感じがします。
(いまのジブリ作品は難解なメッセージ性により、
ただ単に家族で楽しむには少しエンターテイメント性が希薄かなと感じます)


「時をかける少女」で原作の20年後という設定で変わったアプローチを見せ、
「サマーウォーズ」で仮想空間でテロに大家族総出で勇敢に立ち向かっていく戦争モノと
何かとひねりの効いた監督さんだなと好意的にみてました。

そして3作目。
予告をみるとオオカミやら動物系の映像・・・
正直、動物やファンタジーものに苦手意識を持ってる自分としては今回なかなか観るのに腰が重かった。


が、口コミはやっぱりイイし、
レンタル店のTSUTAYAでも人気作なので一応チェックしましたよ。


観終わって、一言。
「やっぱり食わず嫌いは、損。」

素直に面白かった。
オオカミ男と人間が恋し、二人の子供を田舎で育てていく母親の苦労話ってところかな。

子供を都会で育てることの大変さ、田舎で育てることの大変さが描かれており
なおかつ二人の子供が対照的なそれぞれの道を歩み始めるまでをすごく丁寧に描かれてます。


そして二人の子供が生き生きしていて愛らしく、可愛いことこの上ない。


けど一点、気になる部分が。
この監督、どの作品も言えることだけど出てくる女の子と男の子が似通ってる。

「女の子が強く、男の子が弱い」

確かに「草食系男子、肉食系女子」と女がたくましく強い時代を反映してるかもしれないけど
毎回一緒で今回ちょっと鼻についたかな。

別に女は女らしくなんて時代錯誤なことはいわないけど
何か毎回の男は女々しいこの描き方されるのあまり好きじゃないんだな。
気になったのはそこだけ。

よく言えば、みんなが楽しめる映画
悪く言えば、誰にでも受け入れてもらえるいい子ちゃん映画。


全体的に音楽も素晴らしく、後日サントラもレンタルしてしまいました。
やはり音楽って映画の重要なファクターだなと改めて感じました。


8点(10点満点)

FRIED DRAGON FISH 1993年/日本映画(1本目)

 
 


記念すべき第1回目の感想ですがいきなりマニアックな映画です。


岩井俊二監督のフジテレビの深夜ドラマ。
でも後に劇場公開されるから一応、映画として書きます。


内容は1千万円の価値がある魚をめぐって探偵がやら殺人者やらの淡いロマンスなんか絡めた不思議な(世にも奇妙な物語チック)もの。


あと全体的に広がるバブル全盛期臭がすごい。
BGMや衣装など・・・
まぁ20年前の作品だからしょうがないけどそこら辺受け入れられなければきついかな



正直、芳本美代子の演技がイラつきます。
感想は終始それにつきるかな。

監督の岩井俊二はマンガを映画にした様な演出が特徴的ではあるけど
芳本美代子の演技はマンガマンガしすぎていて観ていて恥ずかしくなるし、イタイ。


というより大声がうるさくて神経を逆なでするような演技のせいでこの映画(ドラマ?)の世界に入っていけなかった。


浅野忠信はめちゃめちゃ若く、まだまだ演技がフワフワしてる。


ホントにに初期の初期の作品なので「リリィシュシュ」やら「スワロウテイル」やら「花とアリス」やらを期待してる人には肩すかしを食らうかも。


2点(10点満点)