2013年9月10日火曜日
東野圭吾 『真夏の方程式』 (6冊目)
東野圭吾といえば『白夜行』と『幻夜』がよかったですね。
上記の2作品がよかっただけに他の作品の印象が薄いです。
勝手にハードルを上げられておいて
それを超えられなかったからといって、そこまで面白くないというレッテルを貼られる非常に損な作家ですよね。
それでも単品で読めば他の作家に比べれば十分面白いですよ。
東野圭吾はどの作品も似てるし量産型の作家なので
そこそこハズレはないしある程度は面白いです。
ある程度は。
出版社も安泰ですね。
本が不況な時代に東野圭吾が本を出せばかなりの数が売れるわけですからリスクが非常に少ないですよね。
けど皮肉なことに読者は『白夜行』とか『幻夜』を求めてる。
そして最近の東野圭吾には本気度が伝わってこない。
以下ネタバレです。
ホントにこんなラストでいいんですかね?
ある殺人での犯行なんですが、小学生も犯罪を手伝わされてしまうんです。
本人はその時は自覚がないんですが結果、人が死んでしまう。
小学生はずっとこの先、罪の意識に苛まれながら生きていくことになる。
最後に主人公の湯川が、「これから一緒に考えよう」といったけど
考えるもくそも被害者ですよ、この少年は。
自分は指示されてその行動の意味すら分かっていない。
結果、人が死んでるんですがこの「考えよう」ってセリフはちょっと違和感を感じました。
だったら、「君がやった事と人が死んだ事は関係がない」とか嘘を言ってやったほうが
まだ救いがあるんでは?
正直、後味はよくないです。
映画化もされたみたいで、主人公の湯川は福山雅治だそうですね。
宣伝のせいで、イメージが完全に福山ですよ。
もっと自分なりのイメージで人物を想像したかったのに、
先に映画化とかキャストを大々的に宣伝されるのって作家としてどうなんでしょうかね。
少なくとも読者としては俳優のイメージが強くて、
クリーンに作品に入れないですよ。
まぁ、なんだかんだ言いながら最後まで読めたし
最後はすっきりしないですけどそれなに楽しめました。
東野圭吾は良くも悪くもこの路線でずっとこれからもいくんでしょうね。
3点(10点満点)
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