ものすごい分厚い上下巻です。
所持金3円のホームレスになった男が新興宗教を立ち上げる話。
「砂の王国」ってタイトルなんで、ラストはなんとなく予想できますよね。
上巻はホームレス描写が見事で、作者は実際にホームレスを経験したのかというほどリアルでした。
ただ、宗教を始めるきっかけがあまりに唐突だったように思えます。
というか「きっかけ」ってなかった様に思います。
今まで宗教の話なんか一切でてなかったのにいきなり主人公は宗教を立ち上げ、
儲けるという話になっています。
後に、過去に母親が宗教にはまり
痛い目をめていたことがきっかけと後付の様にありました。
これって後で足すちょっと卑怯なやりかたですよね。
いままで宗教を立ち上げる話は
貫井徳郎 の「夜想」とか、新堂冬樹の「カリスマ」だとか
いくつか読んできましたが一番リアリティがありました。
人をだます手口が非常に凝っています。
作者は心理学の本を結構読んだんじゃないですかね。
この本の面白いところは宗教団体を立ち上げる主人公自身が宗教を軽蔑しているということ。
あくまで「宗教」という名を借りた新たなビジネスを始めた男の話ですかね。
金儲けの為に「宗教」を使う。
けど、その自分の作った宗教団体がどんどん自分の思惑から外れていく。
ラストも予想通りの展開でした。
宗教もののオチって難しいですよね。
非常に文量が多く、途中ダレたので6点ってとこですかね。
半分以上はあげたいけど7点はやりすぎです。
6点(10点満点)
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